2019年米アカデミー外国映画賞発表直前!ノミネート5作品に隠された社会的背景とは?

 

米アカデミー外国映画賞2019

米アカデミー授賞式の開催が今月末までに迫ってきました!2019年の外国映画賞には是枝監督の『万引き家族』が候補に入っていますね。今回は、外国映画賞の注目キーワードとともにおすすめ作品を社会的背景とともにランキング形式でまとめたいと思います!

2019年米アカデミー外国映画賞おすすめランキング

1位 🇲🇽『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)

あらすじ

政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコを舞台に、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロンが、ある家族の姿を鮮やかに、そして感情豊かに描く。

受賞歴

  • ゴールデングローブ賞 外国映画賞・監督賞
  • ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞
  • ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞・撮影賞

注目キーワード

  • 1970年代メキシコ

1970年代のメキシコは、「トラテロルコ事件」「血の木曜日事件」など独裁政権への反対デモにより多数の死者が出ました。映画では、「血の木曜日事件」をモデルとしたシーンが登場します。このような政治的背景を念頭にこの映画を見るとより理解が深まるでしょう。

  • 半自伝的物語・格差問題

この映画は監督アルフォンソ・キュアロン(映画『ゼロ・グラビティ』など)の半自伝的物語だとされています。キュアロンは次のように述べています。

「この映画は社会や階級、人種をめぐる私自身の罪悪感の表れだと思う」「私は白人の中流階級のメキシコ人少年で、守られた立場にいた」

映画にて、ヤリッツァ・アパリシオ演じる家政婦クレオは子供時代のキュアロンの世話をした女性がモデルとなっています。先住民が人口の2割以上を占めるメキシコで、クレオは白人中流家庭の住み込みの家政婦として働いています。クレオを通じて見えてくるのは、メキシコの社会・経済的不平等です。クレオの元恋人はスラム街に住んでおり、映画の舞台であるメキシコシティのローマ地区との落差を連想させます。

2位 🇱🇧『Capernaum』(ナディーン・ラバキー監督)

あらすじ

貧しさゆえに親からまともな愛情も受けることができずに生きる12歳の少年の目線を通し、中東の貧困・移民問題を抉り出した人間ドラマ。中東の貧民窟で暮らす12歳のゼインは、貧しい両親が出生届を提出していないため、IDを持っていない。ある日、ゼインが仲良くしていた妹が、知り合いの年上の男性と強制的に結婚させられてしまい、それに反発したゼインは家を飛び出す。仕事を探そうとしたがIDを持っていないため職に就くことができない彼は、沿岸部のある町でエチオピア移民の女性と知り合い、彼女の赤ん坊を世話しながら一緒に暮らすことになる。しかしその後、再び家に戻ったゼインは、強制結婚させられた妹が亡くなったことを知り……。レバノン版『万引き家族』とも呼ばれている注目作!

受賞歴

  • カンヌ国際映画祭 審査員賞 エキュメニカル審査員賞

注目キーワード

  • レバノン
  • 女性監督
  • 家族の貧困問題
  • 移民

3位 🇯🇵『万引き家族』(是枝裕和監督)

あらすじ

東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林と是枝組常連のキャストに加え、信江役の安藤サクラ、信江の妹・亜紀役の松岡茉優らが是枝作品に初参加した。

受賞歴

  • カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 パルムドール
  • ボストン映画批評家協会賞 外国映画賞・キャスト賞
  • ロサンゼルス映画批評家協会賞 外国映画賞

注目キーワード

  • 貧困家族
  • 血縁関係
  • 現代日本

4位 🇵🇱『COLD WAR あの歌、2つの心』(パヴェウ・パヴリコフスキ監督)

あらすじ

映画『イーダ』ポーランド初のアカデミー映画賞に輝いたパベウ・パブリコフスキ監督の作品。冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー。ポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリへと亡命する。夢をかなえて歌手なったズーラは、公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。パリで一緒に暮らすが、やがてポーランドに戻ることに。ヴィクトルは彼女の後を追ってポーランドも戻るのだが……。

受賞歴

  • カンヌ国際映画祭 監督賞
  • ベルギー映画批評家協会 グランプリ
  • ヨーロッパ映画賞 作品賞 監督賞 脚本賞 女優賞 男優賞
  • ニューヨーク映画批評家協会賞 外国映画賞

注目キーワード

  • 1950年代ポーランド
  • 移民
  • 冷戦
  • ロマンス

5位 🇩🇪『Never Look Away』(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)

あらすじ

ドイツの芸術家ゲルハルト・リヒターの半生を題材に製作された作品。東ドイツで生まれたのカート・バーナートは芸術家を目指し、自由な気風を求めて西ドイツに逃れる。 彼は幼少期のつらい体験に苦しめられながら芸術学校で学び、 エリーという女性と恋に落ち、独自の芸術をつくりあげていく…。

 

受賞歴

  • ゴールデングローブ賞 外国映画賞 ノミネート
  • アカデミー映画賞 外国映画賞 ノミネート

注目キーワード

  • ドイツの芸術家ゲルハルト・リヒター
  • ドイツ分断
  • 東西冷戦

この記事を書いた人

@picomac

現在、都内大学生に通いながら就活中。映画、アートに興味があり、特にアジア映画のレビューやレポートを投稿すると思いますが、都内スイーツや食べ物処などもアップ予定です。よろしくお願いいたします。

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